【1・3年生:令和2年12月18日(金)】模擬国連 『環境問題』グローカルα


イベント詳細


国際問題について議論する「模擬国連」を開催しました。

模擬国連とは?

国の大使になって議論を進める

模擬国連とは、生徒が各国の大使になりきり、実際の国連の会議のように議論を行う活動です。各大使は、会議準備として担当国や議題について事前に調査を行います。会議では自国の政策をもとにそれぞれの自分の国の利益を考慮しながらも、国際社会としての問題解決に貢献するために、交渉を行います。コミュニケーション能力はもちろん、リサーチ力、合意形成能力、思考力、判断力、表現力など、多くの能力を身につけることができる活動です。

九里模擬国連、環境問題をテーマに開催!

環境問題の深刻さを伝える生徒

九里学園プログレスコース1・3年生をはじめ、連携校の新庄東高等学校からも5人の生徒が参加して開催しました。また尚絅学院大学名誉教授 森田明彦氏がオンラインで出席してくださり、講師として様々なご意見を頂戴しました。第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)、並びにパリ協定第3回締約国会議という設定で、パリ協定の詳細な運営規定、枠組みについて議論を行いました。講師からは、パリ協定をテーマに、温室効果ガスの削減目標や共通の枠組みなどの交渉を進めるようにアドバイスを頂きました。

生徒は17か国の大使になりきり、事前に学習した各国の産業や発電量に占める再生可能エネルギーの割合などを考えながら、お互いの主張を述べ合い、解決策を探りました。討議の後は、決議案を作成・提出し、投票を行った。各国が提出した自主目標に一律で削減を加えることや、達成できなかった場合に罰金を設定することなどが提案されましたが、決議とまではいきませんでした。

模擬国連の生中継!各種メディアでも報道されました!

当日は講師の森田先生の提案で、会議の様子を生中継しました。また山形新聞やNCVなどにも取り上げられました。活動の様子を視聴してみたい方は下記の『模擬国連の視聴はコチラ』からご視聴ください。なお、リンク先は森田先生が運営するGlobal Leadership Education Centerのfacebookのページでそのページに動画が載っています。

 

模擬国連の視聴はコチラ

 

グローバル・リーダーシップ・エデュケーション・センター長、コロンビア大学客員研究員の森田明彦氏

山形新聞より、12月24日付

 

生徒から、準備を振り返っての気づきや学びなどの感想

卒業生(現役大学生)も参加し、議論を盛り上げた

  • 自分の担当した国がどのような政策をしているのか、また他の国と比べた二酸化炭素排出量がどのくらいなのかが調べて分かった。日本以外のことを知る機会はほとんどないので、学びになった。
  • 担当の国のメリットしか考えてなかったところがあったが、世界の削減目標やパリ協定などの内容などをもっと深く読んでおけば良かったと思った。
  • 自分はインド担当で調べる量が多くて大変だったが、パートナーと協力して進めることができた。そして環境問題は世界規模の問題なので、協力することが一番大事だと思った。
  • フィジーを担当するまで、水面上昇によって起きている被害状況などは何一つ知らなかった。島国をはじめとする温暖化の影響を受けている国の多くは、あまり温室効果ガスを排出していないのに、他国の影響で大きな被害を受けているというのを知り、とても難しい問題だと感じた。
  • 私はバングラデシュを担当したが、実際にバングラデシュに住んでいる現地の人の声などを聞いたりすればもっと良かったと思った。
  • ブラジルは化石燃料の産業の中で、フレックス車というガソリンとメタノールやエタノールを混合して、走行できる自動車を販売しているという事を学んだ。BRICsという事から、CO2の割合も面積等と比べ、多くは排出していないと思考した。又、ブラジルは森林破壊が多く、最大5分の1がアマゾン熱帯雨林のCO2排出であることから、自然現象が大きいと感じた。フレックス車を使用することで、削減目標である40%台を設定したのかと思った。
  • 自分の国自体は温室効果ガスをあまり出していなかったとしても、周りの国のせいで、自国が失われそうになっていることが、とても大きな問題だと感じた。また、自国が失われるせいで移民が増えてしまい、負の連鎖につながってしまうことを、どうにかしなければならないと強く感じた。
  • 担当した国(サウジアラビア)の現在と今までの状況、政策を調べて、その国がどのような方針で政治を行っていくのか考えながら学習することができた
  • インドネシアを調べていくうちに、CO2の排出量は世界9位と上位に入っており、加えて泥炭地から発生するCO2も含めると世界3位の数値にまでいくことを知り、泥炭地をどうにかしなければいけないと感じた。泥炭地を調べていくうちに実際に北海道で泥炭地の埋め立てに成功している事例を見つけたため、模擬国連当日に日本から技術を提供してもらおうと考えていた。
  • 私はブラジルを担当した。ブラジルの環境問題は森林伐採や森林火災などということは知っていたが、その問題をどの国が支援しているかなど詳しいことは分からなかった。調べることで、日本がブラジルの環境問題に対して支援を行なっていることなど、他の国のことも少し知ることがでた。また、ブラジルの森林火災が世界的にも問題になっている中、ブラジルの大統領は環境問題の改善にあまり積極的でないということも分かった。自国が環境問題で苦しんでいる中、経済を優先しすぎているのではないかと思った。

新興国同士で団結して議論を進めようとする

  • 調べれば調べるほど出てきて、また、調べている内容で脱線してしまうこともあったため、もっと、何を調べたいのか明確にしたいと思った。
  • ただこうすれば解決できるということではなく、国々で問題が違っているので、利益などがあって初めて話し合いができることを知ることができた。
  • 情報が多くむずかしい。大きい国は多い情報で、小さい国は少ない情報で交渉するまでに持っていかなければいけない。政策名があっても、実際の活動があまり書かれていなかったり、書いているのはその国を見ている部外者だったりした。事前準備でその国の環境や実態はわかった。先輩のファシリテートがとてもやりやすく、私の意見も取り入れてもらいながら、まとめてもらった。
  • アメリカの立ち位置がすごく曖昧に感じた。自分の気持ちとは正反対と言ってもいいくらいの国であったため考えるのが難しかった。しかし、調べていく中でアメリカが環境に与えている影響は大きいは事実であるが、アメリカに本社を置いているAppleやGoogleは企業として環境問題に対する取り組みを行なっており、実際にアメリカの温室効果ガス排出量も減少していたので、企業から国に与える影響が大きいこともわかり、良い学びになった。
  • 今回フランスを担当したが、フランスは温室効果ガスの削減や温暖化の緩和に向け積極的に途上国に支援したり、プラスチック容器の廃止やクリーンなエネルギーを使った自動車の開発もすすめているなど、先進国の中でも排出量が少ない割に対策を行っており、とても感心した。日本はまだまだ意識が足りていないと思った。

模擬国連を通して気付いたことや感じたことについて、生徒からの振り返り

  • 前の模擬国連では相手国と協力することもあったが、今回は特に協力して交渉していかないと票を集めて決めることが出来なかった。フランスの政策が決まった時は、フランスの意見をみんなに広めて、それから相手国と良い条件同士で交渉していたので、それが決まるきっかけになったと考えた。
  • はじめからこちらの提案を出すのではなく、相手の政策やどんなことをするのか聞いて、それに合わせて自分の提案をすることで交渉がしやすいと感じた。周りがどのような考えで固まっているのかを聞いて、そこと交渉することで自分たちの提案を通りやすくすることが出来た。沢山の所と交渉してみて、世界の問題の複雑さや難しさ(自国の利益を考えつつのため)を感じながら、考えることが出来た。
  • 環境問題が見える化していて、今実際このような状況だと感じることができた。そして環境問題を自分事に思うことができたので良かった。
  • 発展途上国の何としてでも自国を守りたいということと、先進国の発展優先という利害関係の中で、発展途上国の立場で交渉していくのがとても難しかった。また、発展途上国というのは先進国に比べて、発言力も影響力も少ないから何かを訴える際でも国同士でまとまって行く必要があると感じた。温暖化問題は地球全体の問題であるけど、全部の国を納得させ巻き込んで対策をすすめることの難しさを今回大きく感じた。
  • 環境問題は自国の利益を優先する国ばかりでは一生解決に至らないと思う。また、経済や技術の面ばかりを考えてしまったが、一番は国民の人権を尊重していかなければならないと思った。温暖化はこうして議論している最中にも進んでいて国を失う人々が出てしまうこともあるので、大きな行動に踏み切らなければならないと思った。

お互いに意見をぶつけあう

  • 環境問題をより良くするため、削減目標等を決めるにどのようにすれば良いか、他国と話をしていくと混乱してしまった部分があったが、沢山の意見を聞けて楽しかった。自国と同じような国と話をする事で、解決策を更に深く会話をする事ができたので、良かった。NGOを通じて、森林破壊の支援を提供してくれる国があったが、交渉する際にも上手くはいかなかった。相手の国は他国の一番の意見に賛成して欲しいため、提供をする際その国に賛成をして欲しいという話になる事もあったが、深く考えをもつことにも繋がった。世界全体を共有する事は自国と比較したり、新たな発見が進んでいくので、模擬国連をして関心等が深まり良かった。
  • 互いの利益だけでなく、国際的に見て、たくさんのことを考えなければならなかった。何か1つ考えがまとまったと思っても、また何か問題が出てきて、思考がなかなか追いつかなかった。実際の国連でもこんな様子ならとても大変だと思った。そして、全会一致で決めることの大変さを感じた
  • それぞれの国と交渉や話し合いをしていく中で、各国の経済的な状況や環境問題を配慮し、お互いの国の利益を考え、国際益も生み出しながら行動することが出来た
  • 二国間との提携は結べることはできたが、世界規模の問題ではこれからの自分たちの生活がかかっていることを考えると、ほぼ全員が納得いく政策を練っていかなければならないためとても大変だった。京都議定書が採択されたのはすごいことだと改めて思った。
  • 同じような問題を抱えている国同士で集まりそこから先進国に訴えようと思ったが、自分の国には関係ないこと、利益にならないことを助けようとする国はほとんどなかった。次はスムーズに交渉できるように、先進国も自分ごとと思えるような交渉をしていきたい。また他の国と話をすることで、自分が担当した国だけでなくたくさんの国と特徴や問題を共有できて、勉強になった。
  • 提言を作ると言うより、賛同する側だったが、よく考えると国によっては考え方が対立していて、どちらも自国の利益があるため、どちらが優先かよく考える必要があり、難しいと思った。
  • 3年生は色んな国のことをあらかじめ調べて、相手の利益と自国の利益をうまく合わせた提案をしていてすごいと思った。
  • それぞれの国の交渉での核とするものが違うし、何ヶ国も携わるものでは話が食い違っていたり、まとまるまでの時間がかかってしまう。自国と反対の立場、考えの国との交渉などをせずに進んでいた。世界よりも国益が頭にあり、その考えで動けていなかった。先輩方の考えに私たちの理解が及んでいなかった。先輩方の広く深い考えは今更ながらすごいと思った。先輩の先導のおかげで当日も良く立ち回れ、自分のすべきことが明確だった。
  • やはり環境問題を解決することはとても難しく、どうしても意見がまとまらない状態になった。しかし、他の国の状況を聞いていく中で自分の国に対してどんな影響があるのかなどを考えられた。 国際益を一番に考えることを念頭に置くことができていなかったために、話し合いがうまく行かなかったと感じた。
  • 模擬国連ではフォーマルスピーチを行い、温暖化で苦しんでいる国と提携を組んで中国やアメリカにもっと削減して欲しいと要求した。多くの国にクリーンなエネルギーの車の開発に賛同してもらうための交渉の中で、他国にとっての利益と自国の利益を考えながら交渉する難しさを改めて感じた。同じ国を担当した人と手分けして交渉したり、相手国の状況も聴きながら交渉でき、多くの国から賛同を貰えて嬉しかった。

 

ホワイトボードを使って意見をまとめる

議決までには至らなかった

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